ニュースにのらないテクノウチ#2 『DJ TECHNORCH 元ネタ集 ① "TECHNOHEAD"』(4051文字)

DJ TECHNORCH関連作品の元ネタ集①

・DJ TECHNORCH (テクノウチ)

→TECHNOHEAD (テクノヘッド)

Headsex

Headsex

 

Michael Wells & 故 Lee Newman夫婦によるハードコアテクノユニット。Greater Than One, G.T.O. , Church Of Extacy, Tricky Disco, John + Julie 他、数えられない程の多数の名義を持ち、インダストリアルボディミュージック・ニュービート・ハードコアテクノ・ガバ・ハッピーハードコア・ミニマルテクノ・ラウンジジャズ・アンビエント・ジャングル・ブレイクビーツ・ドラムンベース・ノイズまでありとあらゆる作風を使い分ける。将来絶対に「TECHNOなんとか」と名乗ろうと固く決意させられた。(但し私はTECHNOのHEADでは決してない、HEADは間違いなく彼らであり、私はどちらかというとテクノの内側に入るだろうと思う。)

I Wanna be a Hippy

I Wanna be a Hippy

 

1995年にI WANNA BE A HIPPYにてミリオンセラー・ポップチャート1位を獲得し、レイヴカルチャーのポップアイコンと成る日の目を見る直前にLee Newman夫人が亡くなる。

アルバム「HEADSEX」のこれでもかという程のジャンルを横断した楽曲構成や、I WANNA BE A HIPPY他 HEADSEX等、チャート占領楽曲をチャートインした方ではないバージョンで収録したり、活動方針やアルバムコンセプト自体に果てしなく影響を受ける。

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デザインも凄すぎる。「HEADSEX」アルバムでの「目が潰れる!」と思うようなアルバム・ブックレットのデザイン構成や、ブックレットに長文収録されたちょっとぶっ飛んだ「TECHNOHEAD HEADSEX物語」の構成等、果てしない影響、というかDJ TECHNORCHの全目標がここにあるという作品。

特に「HEADSEX」のアルバムアートワークの「左右対称・中央に顔・放射光・原色コントラスト」というデザイン・コンセプトはDJ TECHNORCH作品に無限に使われ続けてるし本人は未だにまだ全く飽きてない。

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DJ TECHNORCH / I WANNA BE A HAPPY 裏面

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TECHNOHEADの所属するMOKUM RECORDSの統一レコード・スリーヴ

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DJ TECHNORCH / I WANNA BE A HAPPY 内側

TECHNOHEAD シンボル

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GREATER THAN ONE / TRUST

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GREATER THAN ONE / INDEX

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G.T.O. / LISTEN TO THE RHYTHM FLOW

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CHURCH OF EXTACY / TECHNOHEAD

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DJ TECHNORCH シンボル

最初期のGreater Than One, G.T.O.名義の頃から繰り返される直線的シンボルマーク、特にG.T.O. , Church of Extacy , Technohead名義で繰り返される十字架の量は凄まじく、その影響から自分が音楽を作るようになってアーティスト・シンボルマークを作るようになったら必ず直線・直角デザインにしようと心に決めていました。

Oowee I'm Ready

Oowee I'm Ready

 

DJ TECHNORCHのメイン作風である「150BPM帯のGABBER KICK作品」はどこから来ているかというと基本的にはTECHNOHEAD / G.T.O. / Church of Extacy名義の作風から、ハードコア・テクノはこのBPM帯が一番映えると教えてくれた人。

ヒットシングル「Church of Extacy / Church of Extacy」は全曲「Church of Extacy」という曲でありながら副題「Crucify The Acid, Oooweee, I Am Ready, Pray For Acid」の方を曲名として扱っていたり居なかったり、数多の曲に渡って同じサンプリングを使いまわしたり、同じ曲に異なるバージョン名を大量に収録したり、楽曲にやたらと副題を付けてどちらが本題からはっきりさせないまま進めるこの形にも影響を受け、DJ TECHNORCH作品でもセカンドアルバムからほぼ全曲に和名・英名(もしくは通称名)をつけてどちらかが本題かよく分からない状況になっている。(ここには小説家、清涼院流水・舞城王太郎・西尾維新の影響もあるけれどそれは別の記事で解説予定)

Church of Extacyは自らを略称 C of E で書くことが多く、徹底的に十字架を使いまくってることからも分かる通りイングランド国教会(C of E / Church of England)のこと、Eをレイヴカルチャーを代表する違法薬物Extacy (EcstacyつまりMDMA)に置き換えての作品、私の場合は精神病院に入る程追い詰められた処方箋睡眠導入剤Halcyon (Triazolam)を代入。Church of HAL制作当時2011年はハルシオン中毒を脱出し、既に錠剤も見たくない、けれど実は一生飲み続けたいという欲から離れるという変な距離感(中毒というものに完治はなく、「一生我慢し続ける」状態が続くことを「治る」という)での制作。

2001年宇宙の旅(吹替版)

2001年宇宙の旅(吹替版)

 

 HALは映画「2001年宇宙の旅」の自我を持ったコンピュータ「HAL」でもあり(私はあれを人間への反乱とは思えない、HALの「良心」を持った行動だと思っている、映画ラストの原色宇宙空間は必見。)、私に電子音楽の素晴らしさを一番最初に教えてくれた星のカービィシリーズの制作チーム「HAL研究所」(後に任天堂が売却、顛末を見ると複雑な心境になる)でもあり、私の祖母「ハル」の名前でもある。

 

ハルシオン・ランチ(1) (アフタヌーンコミックス)

ハルシオン・ランチ(1) (アフタヌーンコミックス)

 

G.T.O. / Technohead及びMichael Wellsの執拗なまでの「神」弄りは時として恐怖を感じる程の熱意を感じますが、私はクリスチャンでもアンチ・クライストでもないので、宗教は「神仏混淆(仏は原始仏教×神は惟神道)」を、理念は「強い人間原理(Strong Anthropic Principle)」を信望する人間である為、数多の宗教をまぜこぜにした「Japanese Hardcore」を始め、私が生きる上で離れられない用語「即身成仏」「天上天下」「無明」「Ataraxia」「回復行動」「円」「八百万」「八十八」「九十九」をやたらとブチ込んでいるもののMichael Wellsの「神」への執拗さに比べたら子供の遊びに過ぎないレベル。

多宇宙と輪廻転生―人間原理のパラドクス

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エンドレスエイトの驚愕: ハルヒ@人間原理を考える

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ブッダ入門

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バウッダ[佛教] (講談社学術文庫)

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ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

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日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

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遠野物語・山の人生 (岩波文庫)

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Gabba Hop

Gabba Hop

 

 「GABBA KICKの使い方は自由」ということをこれ程端的に教えてくれる楽曲は他にないと思う。