自分語り#662 美しいものは歪んでいる、「ちはやふる」とハードコアテクノは歪んでいるから美しい (1991文字)

 

積み本が一時的に無くなる

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電子書籍の積み本

作曲部屋を念願の防音室にするべく施工が開始し、自然、施工中は生活空間が猛烈に圧迫される為嫁と共に一時的に非常に不自由な生活をおくっています。完全にうっかりしていたのですが、本棚が全て図書室の移動本棚のように壁向きに一箇所に堅め置きされており、一ヶ月半近く積み本が消化出来ないことに気が付きました。私は一ヶ月半近くどうするつもりだったのでしょう。ですが逆に考えてみると、今、もう一生のうち次にいつ来るか、もしかしたらもう一生来ないかもしれない時間「積み本ゼロ」の時間を得ていることになります。積み本どうしようはこのブログでも散々語ってきましたが、いきなりゼロになってしまいました。わぁ!清々しい!

と思いきや、電子書籍の積み本が六冊在りました。僕らの地球をどうするつもりだ。ですが流石に此方は傷が浅い。短編集一冊・長編小説二冊・短歌一冊・短編二冊。一ヶ月半も本棚を封鎖されていれば終わる。別に積み本を消化する為に読書をしている訳ではないのですが、一度で良いから「積み本ゼロ」を体験してみたいという欲に駆られます。しかしこの長編二冊は分厚い。恐ろしいのはこれ読んでる間に本屋に行ってしまう事、若しくはネットで著者のブログとかを読んで「此の本良さそうだな」とか言ってアマゾンで注文してしまう事です。在りそう。でも完全に清々しい時間、体験してみたい。

 

 

読んだ本

中根千枝さんの「タテ社会と人間関係」の簡略本みたいな感じでした。これ読む暇あるなら本家読んどけばよかったという感じですが、簡略本ですら凄い説得力。是非本家を読んでみたい。

アエラドットで連載中の鴻上尚史さんの連載単行本第二弾。本当にいつも思うのですが、よくぞここまでと言う「他人に寄り添う相談」の見本の様な内容です。こういう大人に成りたいといつも思う。 

 もはやスポーツ漫画。美しい。人間の汚い部分が一部も出てこない。こういう人間の暗部が欠片も出てこない作品を読んだ時の感想って全く受け入れられなくなるかこういう理想の青春をおくってみたかったと空想・理想の世界として受け入れられるのかバッキリ分かれると思うのですが、

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA) | 伊藤計劃

伊藤計劃「ハーモニー」のような「全人類的に完全健康を果たした世界」の様に読んでしまいます(本書はざっくり言うとパンデミック後の過剰反応的浄化世界の話なので最近ネット記事でも取り上げられていました)。元ネタの「Aldous Huxley / すばらしい新世界」と同じく完全に理想的で、理想的過ぎてよく考えるとちょっと気持ちが悪い。でも美しい、誰がどうみても美しい世界。エログロもそうなのですが、美しいものってちょっと極端だと思います。そして、私は美しいものが大好きです。現在一八巻までしか読んでない時点での感想ですが、ちはやふるの世界はちょっと極端で歪んでいると思う。私はハードコアテクノも美しいと思います。ハードコアテクノは全要素が一箇所に集中し過ぎてブラックアウトしているか、極端に散らばり過ぎてホワイトアウトしているかどっちかですが、これもとても極端で歪んでいると思います。歪んでいるから美しい。そして驚くべきことに一部の超人の人生は、本当に美しく歪んでいる。

このシリーズ良いんですよね。更新されました。

 

 

Aka Takがヤバイ

「世界よ、これが個性だ。」という様なアルバム。元はカセットテープの様ですがその経緯↓も凄い。

ここまで来ちゃうともう音質とかマスタリングとか関係ないですよね。全部個性、個性の勝ちです。なんですかこのカラオケマイクみたいな録音。でもこんな音楽聴いたことないんです。これが九十年代中盤にリリースされ、二〇一五年にやっと国際流通を果たし、初めて聴いた我々が未だに「こんな音楽聴いたことがない」と思えるのが凄い…

 

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